一般的な皮膚病について イメージ画像

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは

皮膚表面には毛穴から皮脂が分泌されていますが、この皮脂の分泌が多くなった状態を脂漏(しろう)と言います。脂漏を基盤として、紫外線やカビなどによって皮脂が脂肪酸に分解され、炎症を引き起こすことがあります。これが脂漏性皮膚炎です。

顔や頭皮などの皮脂分泌の多い場所や、わきの下などの皮膚が擦れやすい場所にできやすく、顔のなかでは鼻のわき、耳の中や周囲、眉毛周囲、髪の生え際が特に多く見られます。
また最近ではこの脂漏性皮膚炎を発症・悪化させるものとして癜風(でんぷう)菌という脂を好むカビの一種の関与が注目されています。


脂漏性皮膚炎を発症・悪化させる要因
  • 皮脂の貯留(入浴不足、洗顔不足など)
  • カビ(癜風菌)の寄生
  • 生活サイクルの乱れ(寝不足など)
  • ストレス
  • 食事のかたより(ビタミンB不足)
  • ホルモンバランスの乱れ

治療について

脂漏性皮膚炎は青年期以降に発症すると再発を繰り返し、治るまでに時間がかかることがあります。何よりも根気よく治療を続けることが大切ですが、日ごろから発症・悪化の要因を取り除くことも大事です。

治療法としては、主に外用療法(ぬり薬)を行いますが、症状・状態によっては内服療法(のみ薬)を併用します。外用薬は、病変部を石鹸などで洗い清潔にしてから使用します。炎症がある場合は、外用ステロイド剤や外用抗真菌剤を、症状や患部によって使い分けます。内服薬は、かゆみが強い場合や細菌感染のおそれがある場合、ビタミン不足が影響している場合などに用います。


日常生活では、以下のことを心がけましょう。
  • 皮膚を清潔に保つ できれば毎日入浴し、低刺激性の石鹸やシャンプーを使って丁寧に病変部を洗います。
    ただし強く擦らないようにします。入浴後は、病変部には外用薬を使用します。
    また、病変部を掻かないように注意します。
  • 食生活に気を配る ・とくにビタミンB群を多く含む食品を積極的にとるようにします。
     (例:レバー、しじみ、牛乳、卵、ほうれん草、トマト、キャベツ、しいたけなど)

    ・皮脂分泌を高めたり、皮膚に悪影響を与えるような食品はひかえめにします。
     (例:脂肪分、糖分、ナッツ、コーヒー、アルコール、香辛料など)
  • ストレスは避ける ストレスや睡眠不足は増悪因子となるので、規則正しい生活を心がけ、十分に睡眠をとるようにします。

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